結論から言う。
歴史上、地政学的危機のたびに市場は短期的に落ちた。
しかし6ヶ月後には、ほとんどの場合プラスに転じている。
今すべきことは「何もしないこと」だ。
【こんな人に読んでほしい】
✅新NISAでS&P500やオルカンの積立を始めたばかりの人
✅イラン戦争の影響で含み益が消えて不安になっている人
✅「売った方がいいのかな」と考え始めている人
✅「インデックス投資って本当に大丈夫?」と迷っている人
今の状況:半年分の評価益が消えた
2026年2月末、米国・イスラエルがイランへ軍事攻撃を開始。
ホルムズ海峡が封鎖され原油が急騰、株式市場が揺れている。
新NISAで積立を始めた多くの人が「もしかしてこのまま持ってて大丈夫?」と不安に感じているかもしれない。
半年分の評価益が消えた感覚は正しい。
ただこれは「損をした」のではなく「含み益が一時的に減った」だけだ。
その違いは、過去のデータを見ると鮮明になる。
過去85年間の40件の危機で、S&P500はどう動いたか
米Carson Groupのチーフ市場ストラテジスト、Ryan Detrickが第二次世界大戦以降の主要地政学的事件40件を分析した。その結果がこれだ。
※ リターンはすべて事件発生日を起点(0%)とした騰落率。出典:Carson Group / Ryan Detrick(2026年2月28日)
短期は落ちる。
でも6ヶ月後にはプラスに転じていることが多い。
1年後には65%の確率で上昇している。
これが85年分の歴史が示すパターンだ。
過去の主な事件と株価の動き
| 事件 | 発生後の最大下落幅 | その後 |
|---|---|---|
| 真珠湾攻撃(1941) | -19.8% | 翌年末まで回復 |
| 朝鮮戦争勃発(1950) | -12.9% | 59日後に回復 |
| キューバ危機(1962) | -6.6% | 年末に+30%超 |
| 湾岸戦争(1990) | -16.9% | 6ヶ月後に回復・上昇 |
| 9.11テロ(2001) | -11.6% | 45日以内に回復 |
| イラク戦争(2003) | -1.2% | 1年後に+30%近く上昇 |
| ウクライナ侵攻(2022) | -7.9% | 6ヶ月後にプラス転換 |
| イラン戦争(2026)今ここ | -6.8%(進行中) | — |
出典:AAII、Carson Group、A Wealth of Common Sense、各種市場データを元に構成。過去の結果は将来を保証しない。
「今ここ」の位置を確認してほしい。
過去の事例と比べて、異常に大きな下落ではない。
むしろ典型的な「地政学的ショック直後」の数字だ。
出典:AAII、Carson Group、A Wealth of Common Sense、各種市場データを元に構成。過去の結果は将来を保証しない。
なぜ市場は「慣れる」のか
株式市場は「国ではなく、世界中の企業の集合体」だ。
戦争が起きると恐怖で売られる。
しかし企業は適応する。
エネルギーコストが上がればエネルギー企業の利益が増え、防衛需要が増えれば防衛産業が伸び、インフレが来れば価格転嫁できる企業が生き残る。
S&P500やオルカンに入っている企業たちは、まさにこういう局面を何度も乗り越えてきた企業だ。
「地政学的危機は近い将来に終わりに見えても、6ヶ月のスパンで見ると市場はほぼ解決してしまう」 ― Ryan Detrick, Carson Group チーフ市場ストラテジスト(2026年)
「今だけ売って後で戻ればいい」が最悪の選択である理由
「一旦逃げて、落ち着いたら買い直す」という判断は、合理的に見えて実際には大きくリターンを損なう。
なぜか。市場が最も急回復する日は、最も落ちた日のすぐ後に来ることが多いからだ。
その数日を外に出て過ごすだけで、年間リターンの大半を取り逃がす。
不安なのは当然だ。
でも長期投資とは「嵐の中に居続けること」であり、嵐から逃げることではない。
今あなたが感じている不安は、長期投資家なら全員が感じている。
それを感じながら持ち続けることが、長期リターンの源泉だ。
ゴールドまで下がっている理由(おまけ)
「有事にゴールドが上がるはずでは?」という疑問もよく聞く。
今回は違うメカニズムが動いている。
原油高でインフレ懸念が高まり、FRBが利下げできなくなり、長期金利が上昇した。
「利息を生まないゴールドより金利がつく現金・債券の方がいい」という流れで売られている。
ゴールドも短期では動きが読みにくいが、1年前比では今もプラスだ。
【まとめ】
積立を止めない。
売らない。
ポートフォリオを開く回数を減らす。
S&P500とオルカンへの投資は間違っていない。
今感じている不安は、長期投資家なら全員が通る道だ。
この不安の時間を辛抱強く持ち続けることで、大きなリターンが得られるのである。
勇者の1000時間の冒険はつづく⚔️

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