【投資日記 2026.6.28】「メモリ相場はもう終わり?」——自分なりに考え抜いた保有理由と、市場がまだ見えていない第二波の話

投資日記・個別分析(応用向け)
※この記事は筆者の個人的な見解・記録です。投資アドバイスではありません。正解を書くつもりはありません。後から読み返した時に「あの時こう考えてたんだな」と振り返るためのものです。

📋 この記事の目次

  1. きっかけ——あるポストが目にとまった
  2. 自分で立てた問い——今の株価は何を織り込んでいるか
  3. 第一波:今の市場が織り込んでいるもの
  4. 第二波:市場がまだイメージできていないもの——エッジAI・フィジカルAI・エージェントAIという話
  5. スマホの時、市場は何を見誤ったか
  6. ハイパースケーラーが巨額投資をする本当の理由
  7. 短期と長期で全然違う話になる
  8. 今の保有理由と、売るタイミングの考え方
X(旧Twitter)を見ていたら、こんな趣旨のポストが流れてきた。

「サンディスク+5600%、マイクロン+1200%、キオクシア+5300%。この数字を見てもメモリ相場は終わっていないと言えるの?」

正直、確かにって思った。
自分もDRAMを保有している。上がりまくっているのは知っている。だからこそ「本当にまだ続くのか?」という問いは、向き合う価値があると思った。

今日はその問いを、自分なりに真剣に考えてみた記録だ。
① きっかけ——あるポストが目にとまった
上のような数字を見せられると「もう終わりじゃないか」と感じるのは自然な心理だと思う。

でも、よく考えると「過去のリターンで未来を判断している」だけかもしれない。それは典型的なバイアスだ。

だから問い方を変えた。

「今の株価は何を織り込んでいて、何を織り込んでいないか?」

これを自分なりに整理してみることにした。
② 自分で立てた問い——今の株価は何を織り込んでいるか
まず現状を確認した。

DRAM ETFは6月27日時点で$71.88。52週レンジは$26.14〜$81.34。52週高値からは約12%下の水準だ。

SKハイニックスのQ1-26は売上52.58兆ウォン(前年比約3倍)で過去最高。マイクロンはFQ2-26で売上$238.6億を記録し、さらにFQ3-26(6月24日発表)では売上$414.6億と再び過去最高を更新。FQ4-26のガイダンスは$500億と、加速が止まっていない。

これだけ見ると「最高業績は織り込み済み」と言える。では何が織り込まれていて、何が織り込まれていないのか。
③ 第一波:今の市場が織り込んでいるもの
以下は「すでにかなり株価に反映されている」と考えていること。
要因 状況
現在の記録的業績(MU・SKH) ほぼ織り込み済み
HBM4量産・Vera Rubin出荷 ほぼ織り込み済み
2026年のDRAM需給タイト かなり織り込み済み
ハイパースケーラーの2026年capex かなり織り込み済み
HBM4はすでに「将来の話」ではない。NVIDIAのVera Rubinは2026年6月時点で量産フル稼働に入り、AWS・Google Cloud・Microsoft Azure・Oracleへの出荷が今夏から始まっている。

つまり「HBM4が未織り込み」という楽観的な見方はすでに古い。市場はかなり先まで織り込んでいる。

だからこそ、一つのニュースで10〜15%動く構造になっている。
④ 第二波:市場がまだイメージできていないもの——エッジAI・フィジカルAI・エージェントAIという話
ここが今日の結論で一番大事なところだと思っている。
今の市場が織り込んでいるのは「AIブームでデータセンターのメモリが売れる」という話だ。

でも次のフェーズがある。エッジAI・フィジカルAI・エージェントAIだ。

それぞれ何を意味するか整理しておく。

エッジAI——今はAIを「使いに行く」世界だ。スマホを開いて、アプリを立ち上げて、入力する。エッジAIが本格化した世界は「環境そのものが状況を判断して動く」世界になる。

フィジカルAI——AIが物理世界に入り込む世界だ。工場のロボット・自動運転・医療機器・インフラ設備などが自律的に判断して動く。デジタルの世界だけでなく、現実の物理空間でAIが働く。

エージェントAI——指示を受けて動くAIではなく、自律的に判断・行動・学習するAIだ。人間が何もしなくても、AIが目標に向かって自分でタスクを組み立てて実行する。現時点ではまだ開発が遅れており、実用化の目処も不透明な部分が多い。だからこそ、まだ市場には正確に織り込まれていない。

具体的なイメージとして:
  • 工場の機械が「そろそろ壊れる」と自分で判断して発注する
  • 自動運転車が道路状況をリアルタイムで判断して走る
  • 医療機器がバイタルを常時監視して異常を事前に検知する
  • AIエージェントが会議のスケジュール調整から資料作成まで自律的にこなす
  • 家電・カメラ・センサーがその場で判断して動く
「人がAIを使いに行く世界」から「AIが周りで勝手に働いている世界」へ。

その全てのデバイス・システムにメモリが必要になる。そしてデバイスの数はデータセンターより桁違いに多い。

エッジAI市場は2025年の約$118億から2030年には$568億へ、年率約37%で成長する予測がある。さらにGartnerは「2030年までに企業データの75%がエッジで生成・処理される」と予測している。

市場はまだこの世界を正確にはイメージできていない。それが「織り込まれていない」という意味だ。
⑤ スマホの時、市場は何を見誤ったか
2007年のiPhone発表時、投資コミュニティの大多数は「Appleが携帯市場に食い込むのは非常に困難」と見ていた。当時ノキアは「無敵・打倒不可能」と見なされていた。

何を見誤ったか。

「iPhoneは世界最高の携帯電話になる」と予測した。でも実際は「世界最高のポータブルコンピューターだった」。

既存カテゴリの延長として評価した。新しいカテゴリの誕生だとは見抜けなかった。

エッジAI・フィジカルAI・エージェントAIも同じ構造だと思っている。

スマホは「人の行動」を変えた。これらのAIは「人が何もしなくても世界が動く」に変える。その規模感は確かにスマホより大きいかもしれない。

市場はまだそのイメージを正確には持てていない。
⑥ ハイパースケーラーが巨額投資をする本当の理由
4大ハイパースケーラー(Amazon・Microsoft・Google・Meta)の2026年capex合計は約$7,250億、前年比77%増。2027年は$1兆超えが見込まれている。

企業 2026年capex(予測)
Amazon 約$2,000億
Microsoft 約$1,900億
Google(Alphabet) $1,750〜1,850億
Meta $1,150〜1,350億
なぜこれほどの投資をするのか。

「今のAIの延長」だけなら、これほどの規模は必要ない。

彼らは「まだ誰も正確にイメージできていない世界」に先に陣地を取りに行っている。エージェントAIが自律的にビジネスを動かす世界、フィジカルAIがロボットや工場を制御する世界、自動運転が社会インフラになる世界——そこでの主導権を確保するための投資だ。

ハイパースケーラーの投資判断そのものが「第二波がある」という証拠になっている。
⑦ 短期と長期で全然違う話になる
ここが一番大事な整理だと思っている。
「AIが世界を変える」という長期の確信と「今の株価から持ち続けて報われる」は、別の賭けだ。

スマホの時も同じことが起きた。「インターネットが世界を変える」は2000年に正しかった。でも当時買ったシスコは20年かけてようやく高値を回復した。テーマが正しくても、タイミングと株価水準の話は別だ。

視点 今の状況
長期の構造(3〜5年) 保有理由は非常に強固
短期の株価 一つのニュースで10〜15%動く
今の水準 十分上がっている、欲のかきすぎは危険
短期で欲をかきすぎるのは危険だと思っている。急騰後は業績と関係なく一つのニュースが急落のトリガーになる。それは事実だ。
⑧ 今の保有理由と、売るタイミングの考え方
自分の中で整理した保有理由と出口戦略。
【保有理由】
  • 第一波(データセンター向けHBM)の需要はまだ続いている
  • 第二波(エッジAI・フィジカルAI・エージェントAI)は市場がまだ正確にイメージできていない
  • その全てにメモリが必要で、作れるのは世界で3社だけ
  • ハイパースケーラーの$7,250億という投資がその確信を裏付けている
【保有理由が崩れるシグナル】
  • ハイパースケーラーがcapexを下方修正し始める
  • NVIDIAのGPU出荷計画が大幅削減される
  • 3社の同時増産による需給逆転の兆候が出る
【売るタイミングのイメージ】
2027年頃にはエッジAIの形がもう少し具体的に見えてくると思っている。その「需要の先取りが完了するタイミング」で一旦出るつもりだ。株価がいくらになったら売るかを感情ではなく論理で決めておく。その後さらに上がってもそれはしょうがない。

下落局面は予告なく、恐ろしく早く来る。だから「売る条件」を今のうちに決めておくことが大事だと思っている。
今日の整理をまとめると。

「メモリ相場は終わった」ではなく「第一波が終わりかけていて、第二波がまだ市場に見えていない」が自分の見立てだ。

保有理由が崩れていない限り、日々のニュースで動じる必要はない。でも欲をかきすぎず、売る条件を今のうちに言語化しておく。

これが今できる最善だと思っている。

Stay the Course.👊
※本記事は筆者の個人的な見解です。投資は自己責任でお願いします。特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。

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