※この記事は筆者の個人的な見解・記録です。投資アドバイスではありません。正解を書くつもりはありません。後から読み返した時に「あの時こう考えてたんだな」と振り返るためのものです。
📋 この記事の目次
- きっかけ——あるポストが目にとまった
- 自分で立てた問い——今の株価は何を織り込んでいるか
- 第一波:今の市場が織り込んでいるもの
- 第二波:市場がまだイメージできていないもの——エッジAI・フィジカルAI・エージェントAIという話
- スマホの時、市場は何を見誤ったか
- ハイパースケーラーが巨額投資をする本当の理由
- 短期と長期で全然違う話になる
- 今の保有理由と、売るタイミングの考え方
「サンディスク+5600%、マイクロン+1200%、キオクシア+5300%。この数字を見てもメモリ相場は終わっていないと言えるの?」
正直、確かにって思った。
自分もDRAMを保有している。上がりまくっているのは知っている。だからこそ「本当にまだ続くのか?」という問いは、向き合う価値があると思った。
今日はその問いを、自分なりに真剣に考えてみた記録だ。
① きっかけ——あるポストが目にとまった
上のような数字を見せられると「もう終わりじゃないか」と感じるのは自然な心理だと思う。でも、よく考えると「過去のリターンで未来を判断している」だけかもしれない。それは典型的なバイアスだ。
だから問い方を変えた。
「今の株価は何を織り込んでいて、何を織り込んでいないか?」
これを自分なりに整理してみることにした。
② 自分で立てた問い——今の株価は何を織り込んでいるか
まず現状を確認した。DRAM ETFは6月27日時点で$71.88。52週レンジは$26.14〜$81.34。52週高値からは約12%下の水準だ。
SKハイニックスのQ1-26は売上52.58兆ウォン(前年比約3倍)で過去最高。マイクロンはFQ2-26で売上$238.6億を記録し、さらにFQ3-26(6月24日発表)では売上$414.6億と再び過去最高を更新。FQ4-26のガイダンスは$500億と、加速が止まっていない。
これだけ見ると「最高業績は織り込み済み」と言える。では何が織り込まれていて、何が織り込まれていないのか。
③ 第一波:今の市場が織り込んでいるもの
以下は「すでにかなり株価に反映されている」と考えていること。
| 要因 | 状況 |
|---|---|
| 現在の記録的業績(MU・SKH) | ほぼ織り込み済み |
| HBM4量産・Vera Rubin出荷 | ほぼ織り込み済み |
| 2026年のDRAM需給タイト | かなり織り込み済み |
| ハイパースケーラーの2026年capex | かなり織り込み済み |
つまり「HBM4が未織り込み」という楽観的な見方はすでに古い。市場はかなり先まで織り込んでいる。
だからこそ、一つのニュースで10〜15%動く構造になっている。
④ 第二波:市場がまだイメージできていないもの——エッジAI・フィジカルAI・エージェントAIという話
ここが今日の結論で一番大事なところだと思っている。
今の市場が織り込んでいるのは「AIブームでデータセンターのメモリが売れる」という話だ。でも次のフェーズがある。エッジAI・フィジカルAI・エージェントAIだ。
それぞれ何を意味するか整理しておく。
エッジAI——今はAIを「使いに行く」世界だ。スマホを開いて、アプリを立ち上げて、入力する。エッジAIが本格化した世界は「環境そのものが状況を判断して動く」世界になる。
フィジカルAI——AIが物理世界に入り込む世界だ。工場のロボット・自動運転・医療機器・インフラ設備などが自律的に判断して動く。デジタルの世界だけでなく、現実の物理空間でAIが働く。
エージェントAI——指示を受けて動くAIではなく、自律的に判断・行動・学習するAIだ。人間が何もしなくても、AIが目標に向かって自分でタスクを組み立てて実行する。現時点ではまだ開発が遅れており、実用化の目処も不透明な部分が多い。だからこそ、まだ市場には正確に織り込まれていない。
具体的なイメージとして:
- 工場の機械が「そろそろ壊れる」と自分で判断して発注する
- 自動運転車が道路状況をリアルタイムで判断して走る
- 医療機器がバイタルを常時監視して異常を事前に検知する
- AIエージェントが会議のスケジュール調整から資料作成まで自律的にこなす
- 家電・カメラ・センサーがその場で判断して動く
その全てのデバイス・システムにメモリが必要になる。そしてデバイスの数はデータセンターより桁違いに多い。
エッジAI市場は2025年の約$118億から2030年には$568億へ、年率約37%で成長する予測がある。さらにGartnerは「2030年までに企業データの75%がエッジで生成・処理される」と予測している。
市場はまだこの世界を正確にはイメージできていない。それが「織り込まれていない」という意味だ。
⑤ スマホの時、市場は何を見誤ったか
2007年のiPhone発表時、投資コミュニティの大多数は「Appleが携帯市場に食い込むのは非常に困難」と見ていた。当時ノキアは「無敵・打倒不可能」と見なされていた。何を見誤ったか。
「iPhoneは世界最高の携帯電話になる」と予測した。でも実際は「世界最高のポータブルコンピューターだった」。
既存カテゴリの延長として評価した。新しいカテゴリの誕生だとは見抜けなかった。
エッジAI・フィジカルAI・エージェントAIも同じ構造だと思っている。
スマホは「人の行動」を変えた。これらのAIは「人が何もしなくても世界が動く」に変える。その規模感は確かにスマホより大きいかもしれない。
市場はまだそのイメージを正確には持てていない。
⑥ ハイパースケーラーが巨額投資をする本当の理由
4大ハイパースケーラー(Amazon・Microsoft・Google・Meta)の2026年capex合計は約$7,250億、前年比77%増。2027年は$1兆超えが見込まれている。| 企業 | 2026年capex(予測) |
|---|---|
| Amazon | 約$2,000億 |
| Microsoft | 約$1,900億 |
| Google(Alphabet) | $1,750〜1,850億 |
| Meta | $1,150〜1,350億 |
「今のAIの延長」だけなら、これほどの規模は必要ない。
彼らは「まだ誰も正確にイメージできていない世界」に先に陣地を取りに行っている。エージェントAIが自律的にビジネスを動かす世界、フィジカルAIがロボットや工場を制御する世界、自動運転が社会インフラになる世界——そこでの主導権を確保するための投資だ。
ハイパースケーラーの投資判断そのものが「第二波がある」という証拠になっている。
⑦ 短期と長期で全然違う話になる
ここが一番大事な整理だと思っている。
「AIが世界を変える」という長期の確信と「今の株価から持ち続けて報われる」は、別の賭けだ。スマホの時も同じことが起きた。「インターネットが世界を変える」は2000年に正しかった。でも当時買ったシスコは20年かけてようやく高値を回復した。テーマが正しくても、タイミングと株価水準の話は別だ。
| 視点 | 今の状況 |
|---|---|
| 長期の構造(3〜5年) | 保有理由は非常に強固 |
| 短期の株価 | 一つのニュースで10〜15%動く |
| 今の水準 | 十分上がっている、欲のかきすぎは危険 |
⑧ 今の保有理由と、売るタイミングの考え方
自分の中で整理した保有理由と出口戦略。
【保有理由】- 第一波(データセンター向けHBM)の需要はまだ続いている
- 第二波(エッジAI・フィジカルAI・エージェントAI)は市場がまだ正確にイメージできていない
- その全てにメモリが必要で、作れるのは世界で3社だけ
- ハイパースケーラーの$7,250億という投資がその確信を裏付けている
- ハイパースケーラーがcapexを下方修正し始める
- NVIDIAのGPU出荷計画が大幅削減される
- 3社の同時増産による需給逆転の兆候が出る
2027年頃にはエッジAIの形がもう少し具体的に見えてくると思っている。その「需要の先取りが完了するタイミング」で一旦出るつもりだ。株価がいくらになったら売るかを感情ではなく論理で決めておく。その後さらに上がってもそれはしょうがない。
下落局面は予告なく、恐ろしく早く来る。だから「売る条件」を今のうちに決めておくことが大事だと思っている。
今日の整理をまとめると。
「メモリ相場は終わった」ではなく「第一波が終わりかけていて、第二波がまだ市場に見えていない」が自分の見立てだ。
保有理由が崩れていない限り、日々のニュースで動じる必要はない。でも欲をかきすぎず、売る条件を今のうちに言語化しておく。
これが今できる最善だと思っている。
Stay the Course.👊
「メモリ相場は終わった」ではなく「第一波が終わりかけていて、第二波がまだ市場に見えていない」が自分の見立てだ。
保有理由が崩れていない限り、日々のニュースで動じる必要はない。でも欲をかきすぎず、売る条件を今のうちに言語化しておく。
これが今できる最善だと思っている。
Stay the Course.👊
※本記事は筆者の個人的な見解です。投資は自己責任でお願いします。特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。


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