📓 投資日記 ※この記事は筆者の個人的な見解・記録です。投資アドバイスではありません。正解を書くつもりはありません。後から読み返した時に「あの時こう考えてたんだな」と振り返るためのものです。
まず数字で見る、この1ヶ月のメモリ株
この1ヶ月のメモリセクターを数字で振り返る。
Micron($MU)
−28.74%
6/25高値1,255.00ドル→直近1ヶ月の下落率
一時789ドル台まで下落
一時789ドル台まで下落
キオクシア(285A)
約7割弱
6/22高値11万2,700円→7/29終値3万8,380円
SanDisk($SNDK)
−32%
7月下旬の3営業日で急落
高値からは5割超下落
高値からは5割超下落
KOSPI(韓国総合株価指数)
−28.9%
7月月間ベースで過去最大級の下落率
2営業日連続サーキットブレーカー
2営業日連続サーキットブレーカー
メモリ・ストレージ関連銘柄全体では、6月下旬のピークから合計で2兆ドル超の時価総額が失われたとも報じられている。
前日(7/29)までどういう状況だったか
7/28〜29にかけては、連鎖的な売りが目立った。
SanDiskは3営業日で32%急落。Micronも7/28の通常取引で8.85%急落し820ドル台に。SK Hynix ADRも急落し、サムスン電子・キオクシアなど日韓の半導体株も同時に売られた。
📌 客観的な事実として押さえておきたい点
この下落局面は、決算内容と噛み合っていなかった。SK Hynixは営業利益が前年比557%増という過去最高益を発表したにもかかわらず株価は急落。Samsungも純利益+1813.8%という決算を出したが、市場は好感しなかった。Micronの直近決算(4-6月期)もEPS・売上高ともに市場予想を上回っていた。
つまり「好決算=株高」という前提が、この局面では機能していなかった。
自分はその原因をどう考えていたか
当時、原因として整理していたのは主に3つだった。
1急騰の反動(利益確定売り)
過去1年でMicronは+559.56%、SK Hynixも同水準の急騰を演じていた。決算内容とは無関係に、どこかで利益確定売りが入るのは織り込みやすい流れだった。
過去1年でMicronは+559.56%、SK Hynixも同水準の急騰を演じていた。決算内容とは無関係に、どこかで利益確定売りが入るのは織り込みやすい流れだった。
2CXMT上場(7/27)
中国の長鑫存儲科技(CXMT)が上海証券取引所に上場。増産加速の観測と、中国がDUV露光装置分野で進展を見せているとの報道が重なり、「既存の供給構造(Micron・Samsung・SK Hynixの3社寡占)が崩れるのでは」という懸念が広がった。
中国の長鑫存儲科技(CXMT)が上海証券取引所に上場。増産加速の観測と、中国がDUV露光装置分野で進展を見せているとの報道が重なり、「既存の供給構造(Micron・Samsung・SK Hynixの3社寡占)が崩れるのでは」という懸念が広がった。
3メモリ「ピークアウト論」
DRAM・NANDの需給サイクルが天井を打ったのではないか、という論調が強まっていた。SK Hynixの決算が過去最高益にもかかわらず市場予想に届かず失望売りになったのも、この文脈で解釈されていた。
DRAM・NANDの需給サイクルが天井を打ったのではないか、という論調が強まっていた。SK Hynixの決算が過去最高益にもかかわらず市場予想に届かず失望売りになったのも、この文脈で解釈されていた。
この時点での自分の仮説
「ファンダメンタルズの毀損というより、急騰の反動+機械的な売り圧力の増幅」。
そして今日(7/30 米国時間)何が起きたか
一晩で状況が変わった。
シティがSK HynixとMicronに強気レポートを出し、中国CXMT・YMTCについて「EUV技術で大手に5年以上遅れており、拡大は成熟プロセス中心にとどまる」と分析。メモリ需給逼迫は2027年まで継続し、HBM価格は来年倍増の可能性にも言及した。
✅ 反発の結果
SK Hynix ADRは+15%超反発。Micronも売られ過ぎ修正で戻した。加えてマイクロソフトの決算(Azure成長率43%、市場予想を明確に上回る)がAI投資全体への懸念を和らげ、半導体セクター全体を押し上げた。結果、SOX指数は+8.19%、VIXは−17.28%という大きな反転になった。
ここから学べること
事実として整理できることは、大きく2つの軸がある。
■ 銘柄・セクターに関する事実
1決算内容と株価の短期的な値動きは、必ずしも一致しない
SK Hynix・Samsung・Micronはこの1ヶ月、いずれも過去最高益を更新し続けていた。それでも株価は数十%単位で下落した。どんなにいい銘柄・好決算でも、短期の値動きは読めない。
SK Hynix・Samsung・Micronはこの1ヶ月、いずれも過去最高益を更新し続けていた。それでも株価は数十%単位で下落した。どんなにいい銘柄・好決算でも、短期の値動きは読めない。
2中国リスクの「事実」自体は、上場前後で変わっていない
CXMTの技術的な制約(EUVで5年以上の遅れ)は、シティが7/30に指摘した内容だが、これはCXMT上場前から存在していた事実だ。事実そのものではなく、その事実がいつ・どう市場に解釈されるかによって、値動きの方向が大きく変わっていた。
CXMTの技術的な制約(EUVで5年以上の遅れ)は、シティが7/30に指摘した内容だが、これはCXMT上場前から存在していた事実だ。事実そのものではなく、その事実がいつ・どう市場に解釈されるかによって、値動きの方向が大きく変わっていた。
■ 投資行動に関する事実
③ だからこそ、「守り」の設計が効いてくる
短期の値動きが読めない以上、1銘柄・1セクターへの全ツッパ(集中投資)はやはり危険だ。今回のような急落は、好決算銘柄にも理由なく起こりうる。
⚠️ 反発=下落終了ではない
7/30の反発をもって「下落は終わった」と判断するのは早計だ。1日の反発が示すのは「その日の材料が好感された」という事実だけで、6月末からの調整局面そのものが完全に終わったかどうかはまだわからない。実際、Micronは高値から30%超下落した水準からの戻りであり、依然として高値圏を大きく下回ったままだ。
ただし、こういう調整局面こそ「なぜ下がっているか」を整理できていれば、狼狽売りではなく買い増しの判断材料にもなり得る。大事なのは「下がった=買い」と値幅だけで機械的に判断するのではなく、その下落を引き起こした事実(今回で言えば中国リスクや需給懸念)が、実際に変わったのか変わっていないのかを都度確認することだ。
だからこそ、短期の値動き自体を追いかけても意味がないと思っている。自分が確認すべきは株価ではなく、$DRAMの売りシグナルのいずれかが発動したかどうかだ。
📌 $DRAM 売りシグナル(5項目)
- ①ハイパースケーラーCapExの下方修正
- ②NVIDIA GPU出荷計画の削減
- ③3社同時の在庫過剰
- ④エージェント/エッジ/フィジカルAIの発展の鈍化
- ⑤中国勢のNVIDIA認証水準への接近
今回の一連の急落・急反発では、このどれも該当していない。短期の株価に一喜一憂しないで、自分のシグナルに照らして判断していこう。
Stay the Course.👊
※本記事は筆者の個人的な見解です。投資は自己責任でお願いします。特定の銘柄への投資を推奨するものではありません。


コメント