【投資日記2026.8.22】ゴールド、$4,500ライン突破。それでも売ることにした理由

投資日記・個別分析(応用向け)
※この記事は投資アドバイスではなく、私自身の判断と気持ちの記録です。正解を書くつもりはありません。後から読み返した時に「あの時こう考えてたんだな」と振り返るためのものです。

6月11日、ゴールドが下落して「売るかどうかめっちゃ悩む😇」と書いた。あれから2ヶ月あまり、価格はこう動いてきた。
6/11
$4,114
悩む😇
$4,500を回復ラインに
6/15
$4,325
停戦合意で反発
$4,500を利確ラインに
8/9
$4,500接近
CPI・FOMC待ち
8/21(今)
$4,600超
ライン突破
今のゴールドは値動きが荒く、1日の値幅だけで簡単に行き来してしまう水準でもある。大台を超えたからといって、油断できる状況ではない。
① 今の急騰をどう見ているか
【確認済み事実】
8月19日、米財務省が長期国債の買い戻し規模を倍増(20億ドル→40億ドル)すると発表。30年債利回りが2007年以来の高値(5.337%)をつけた翌日の、定例外の緊急発表だった。これを受けて長期金利が急低下し、金は急騰した。
【報道・二次情報】
ゴールドマン・サックス、シティ、JPモルガンが軒並み「デバスメント・トレード(通貨の希薄化)」という言葉を使い始めていると報じられている。8月21日には著名投資家レイ・ダリオ氏がLinkedInで、この財務省の動きを「差し迫った債務危機を示唆する兆候」とし、ポートフォリオの10〜15%を金・ビットコインに配分すべきと提言した。
【自分の見立て】
これまでのゴールド上昇(6月の停戦合意、8月上旬の利上げ観測後退)は、どちらも「金利がどう動くか」という土俵の中の話だった。でも今回は違う。「金利で調整する」という通常の道自体が財務省によって塞がれ、そのツケが通貨(ドル)の信認そのものに向かっている、という質的に違う話に見える。
② $4,500を突破したことについて
安全資金(いざという時のためのお金)は投資に回さず別で確保している。それ以外の資金は、NISAと特定口座で運用している状態だ。来年分のNISA枠に投資するには、この特定口座で持っている資産のどれかを売って原資を作る必要がある。金はその特定口座で保有している資産の一つだ。

6月に設定した$4,500というラインは、当初の目標として一つ達成できた水準だと思っている。
【正直な気持ち:$4,800まで欲しい】
長期で持てばもっと上を狙えるのでは、という気持ちもある。金は1月に一度、史上最高値の$5,589をつけている。この過去の高値が頭の中にあるせいで、「$4,500で満足していいのか」という感覚がどうしても出てくる。欲を言えば、次は$4,800くらいまでは狙いたい。中央銀行の継続的な買いという構造的な土台を考えれば、長期目線で握り続けるのも一つの合理的な判断だとは思う。

ただ、いわゆるアンカリング効果に引っ張られたまま判断しないために、欲ではなく、今集められる情報を整理してこの上昇を分析した上で判断したい。
【長期の土台:中央銀行買いは、調べるほど根強い】
「構造的な土台」と一言で書いたが、具体的にどれくらい根強いのか気になったので少し調べてみた。
🇨🇳 中国
公式発表は実態の1/10程度という分析も(ゴールドマン・サックス試算)。統計に出ない「隠れた買い」が積み上がっている可能性
🇭🇰 香港
金の保管容量を3年で200トン→2,000トン超に拡張中。国際的な金取引ハブを目指す動き
🇰🇷 韓国
13年ぶりに現物の金購入を再開。ETF購入も新たに開始した
ただし、これは何年もかけて効いてくる話であって、来週のジャクソンホールのように数日で結果が出る材料ではない。長期の土台がより強固だと分かったことと、短期的にタカ派サプライズが出れば急落しうることは、別の話として両立する。今回の判断(短期・来年のNISA資金作り)を変えるものではないが、もし将来、長期目線で資産分散として金を持つことを考えるなら、覚えておきたい材料だ。
この1年のゴールドの値動きを振り返ると、非常に激しい。1月に史上最高値$5,589をつけた後、6月には$4,000近くまで急落し、停戦合意で反発、そして今回また急騰している。中東情勢の悪化や、強い経済指標で利上げ観測が再燃すれば、この流れはすぐに変わりうる。今回のポジションは「長期で持つ金」ではなく、あくまで「来年のNISA資金を作るための短期ポジション」という当初の目的がある。その前提に立ち返って判断したい。
③ これからどうするか——実際に分析してみた
テクニカル面:過熱感はあるが、過信は禁物
直近3日間(8/19〜21)で約280ポイントという急激な上昇を経て、日足RSIは80.4まで上昇している。
80.4
日足RSI
(一般的な過熱目安は70)
強いトレンドが続く相場ではRSIが高止まりしたまま推移することも珍しくない。これ単体を「下落のサイン」と決めつけるのは早計で、あくまで「調整の可能性が、普段より高まっている」程度の参考情報として見ておきたい。
もう一つ、$4,600〜4,630あたりが直近の抵抗帯として意識されている。ここを明確に上抜けられなければ、短期的な反落・調整が入りやすいと見られている。
ファンダメンタルズ面:$4,800を押し上げる新しい材料は見当たらない
財務省のバイバックは発表されただけで、実際の買い戻しオペレーションは9月9日から始まる。つまり今の上昇は「これから実際に買い支えが入る」という思惑・期待だけで進んでいる状態で、実弾はまだ動いていない。

市場ストラテジストのコメントを調べたところ、8月14日時点で「価格がもう一段上がるための材料は、経済指標ではおそらく足りない。地政学的な急変が必要だ」「今はそのドライバーがまだない」という声があった。つまり今回の急騰(財務省の対応)自体が、その「待たれていた材料」であり、この材料はもうすでに株価に織り込まれている。

テクニカル的には$4,770付近(5月の高値水準)という目安はあるが、これは新しい強気材料というより、既存の勢いが続けば届くかもしれないという技術的な目安に過ぎない。
直近の重要イベント:過去に経験した下振れリスク
8/26
NVIDIA決算
PCE物価指数
8/27〜29
ジャクソンホール会議
8/28
ウォーシュ議長
発言
ここでFRBがインフレファイティングの姿勢を強く示せば、「金利で抑え込む道が塞がれている」というデバスメント・トレードの前提が揺らぎ、金には逆風になる。

これは「もしも」の話ではない。6月17日の初FOMCで、ウォーシュ議長がハト派だろうという事前の見立てを裏切ってタカ派色を鮮明にし、ゴールドが急落したのを実際に経験している。ジャクソンホールでも同じことが起きる可能性は十分にある。
【もう一つの潜在的な上昇材料:中東の沈静化(ただし予測不能)】

実は6月の経験を踏まえると、もう一つ上昇の可能性がある。
中東沈静化
原油安
インフレ懸念後退
実質金利低下=金高
今回のデバスメント・トレードとは別の理由で金が押し上げられる可能性がある。

ただし、これは本質的に予測不能だ。直近のトレンドはむしろ悪化方向(MOU失効、対イラン強硬発言、UAEへのミサイル)で、沈静化が近いと考える根拠は今のところない。しかも6月の停戦合意も、直前まで「交渉の余地なし」と言われていた状況からの、誰にも読めなかった急展開だった。

この読めない材料に賭けて持ち続けるという判断自体は、間違っているとは思わない。長期で持てる資金なら、いつか沈静化するタイミングを気長に待つ、という戦略は十分にアリだと思う。

ただ、今回のポジションは違う。あくまで「来年のNISA資金作り」という短期・特定目的のためのポジションだ。いつ起きるか分からない、そもそも起きるかどうかも分からない材料を待つには、この時間軸は合わない。だから今回は、この可能性を認めつつも判断からは意識的に外す。
リスクの非対称性
整理すると、今のポジションはこういう構図になっている。
📈 上振れ材料
一番インパクトが大きいのは中東沈静化だが、いつ起きるか(そもそも起きるか)は不透明。他には、期待先行の状態で実弾(9月からのバイバック)はまだ動いておらず、$4,800を押し上げる新しい強い材料も見当たらない
📉 下振れ材料
テクニカルの過熱感+ジャクソンホールでのタカ派リスク(過去に経験済み)
「まだ確定していない上振れ」を期待して、「過去に経験済みの下振れ」のリスクにさらされ続ける理由は薄いと判断した。
まとめ
$4,500は、6月に設定した目標を達成した水準だ。ここまで来た時点で、来年のNISA原資として売る候補としては十分だと思っている。

正直、$4,800まで欲は出た。ただそれがアンカリング効果に引っ張られているだけなのかを確かめるために、実際に分析してみた。結果、$4,800を押し上げる新しい強い材料は見当たらず、逆にジャクソンホールという過去に経験済みの下振れリスクが目の前にあった。

このリスクの非対称性を踏まえて、今回は金を売り、来年のNISA原資に充てることにした。

もちろん、売った後にジャクソンホールが無風で通過し、そのまま$4,800まで駆け上がる可能性もゼロではない。過去の失敗(6/25の記事)を振り返っても、利確のタイミングを見極める難しさは実感している。

ただ今回は、上振れを信じられるだけのしっかりした根拠を、今の自分の中に持てなかった。だから売りを判断した。

これはあくまで現時点(8/22時点)での話だ。月曜15時の締切までには、まだ時間がある。その間に新しい情報が出て、判断が変わる可能性は十分にある。それならそれで構わない。今わかる材料で、今の自分が納得できる判断をする。それだけだ。

間違えることは、当たり前だ。プロでも読み違える相場を、自分が毎回当てられるとは思っていない。ただ、その時々に何を考えて、何を根拠に判断したかをこうして書き残しておくことは、正しくても間違っていても、未来の自分の判断の糧になる。それだけは確かだと思っている。
Stay the Course.👊
繰り返しになりますが、この記事は投資アドバイスではなく、私自身の判断と気持ちの記録です。投資は自己責任でお願いします。特定の資産への投資を推奨するものではありません。

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