- これからNISAを始めようとしている人
- 銀行でNISA口座を作ってしまった人
- ネット証券に移すべきか迷っている人
先日、知り合いから「NISA始めました!」と報告をもらった。
嬉しいな、と思って話を聞いてみると——
「住所変更で銀行に行ったら、窓口の人に勧められてそのまま作りました」
思わず「あ……」となった。
その人は悪くない。むしろ行動力がある。でも、銀行でNISAを作ってしまうのは、知らないと最大1年のロスにつながるのだ。
知り合いは住所変更という、ごく普通の用事で銀行の窓口に行った。
手続きを待っているとき、担当者に「新NISAってもう始められました?」と声をかけられた。
「ちょうど気になってたし、プロが目の前にいるなら安心だ」と思い、そのまま口座を開設した。
問題は、その後。NISAについて勉強していくうちに、銀行での開設がネット証券より不利だということに気づいた。そして私に相談してきてくれたのだ。
気づくのが遅れて買付済みだったら、最大1年待つ必要があった。
銀行でNISA口座を作ってしまうケースは非常によくある。
銀行側からすると窓口に来るお客さんは「投資に詳しくないけれど貯蓄はある層」に見える。非常に声をかけやすいターゲットなのだ。
「待ち時間」を狙った声かけ
窓口の待ち時間にタブレットを持った担当者が近づいてきて「新NISAってもう始められました?」「アンケートにご協力ください」と切り出される。
「預金の金利」と比較させる
「今の定期預金だと利息がこれだけですが、NISAで運用すれば非課税で増える可能性がありますよ」という、預金金利の低さを逆手に取った提案。
「対面の安心感」を強調する
「ネット証券は設定が難しくて大変ですよ」「窓口なら私たちが操作をお手伝いします」という、デジタルが苦手な人への安心感アピール。
どれも嘘ではない。でも、大事なことを教えてくれない。
正直に言うと、銀行でのNISAにもメリットはある。
対面で担当者に相談できる。操作や制度が全くわからない人には心強い存在だ。
ただ、長期で資産を増やすことを考えると、3つの落とし穴がある。
ネット証券では数千本の投資信託から選べる。
一方、銀行で買えるのは10〜20本程度。選択肢がほぼない状態だ。
自分に合った商品を選ぶどころか、「これしかない」という状況になりやすい。
投資信託には「信託報酬」という年間コストがかかる。
実はこのコストが高い商品ほど、銀行の利益になる仕組みになっている。
わずか0.5〜1%の差でも、30年の運用では数百万円の差になることがある。
銀行のNISAで買えるのは基本的に投資信託だけ。
日本株・米国株などの個別株は購入できない。
今は投資信託だけでいいとしても、将来的に選択肢が広がらないのは不便だ。
ここが一番重要な話だ。
NISAは1人1口座しか持てない。そして、その年に1回でも買付をしてしまうと、その年は別の金融機関に移せない。
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そこで積立を1回でも始めた
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「やっぱりネット証券に移したい」と気づいた
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移せるのは翌年から。最大1年のロス。
早ければ早いほど有利な長期投資において、スタートが1年遅れる影響は思ったより大きい。
複利の力を考えると、1年は小さくない。
知り合いの場合は報告してくれた時点でまだ買付をしていなかった。だから、すぐに手続きすれば損なく移せる状況だった。気づいたタイミングで動けるかどうかがすべてだ。
今すぐ手続きできる
その年の9月30日までに手続きを完了すれば、年内にネット証券で始められる。急いで動こう。
翌年から変更できる
その年は移せないが、翌年から変更できる。今から準備を始めれば年明けにスムーズに動ける。
銀行に「金融機関を変更したい」と伝える
「金融商品取引業者等変更届出書」という書類をもらう。窓口か電話で申し出ればOK。
書類を記入して銀行に返送する
必要事項を記入して提出すると「勘定廃止通知書」が送られてくる。これが次のステップで必要になる。
新しい証券口座に書類を提出する
SBI証券などで証券口座を開設し「勘定廃止通知書」を提出。2〜3週間で新口座が開設される。
引き止められることはほぼ確実にある。「手続きが面倒ですよ」「うちでも同じ商品が買えますよ」と言われるかもしれない。
この一言だけでOK。断る権利は完全にこちら側にある。気まずければ「家族に勧められた」と言えばさらに楽だ。
- 売却しなくても問題ない。そのまま非課税で保有し続けられる
- 新しい証券口座では新規の買付ができるようになる(2口座を持つ形になる)
- 1800万円の生涯上限は2つの口座を合算したもの(銀行+証券会社の合計で1800万円)
- 銀行口座では新規の買付はできない(売却のみ可能)
- 将来銀行口座の資産を売却すれば、その分の枠が翌年以降に復活する
- 銀行窓口でNISAを勧められるのは「あるある」パターン
- 商品数が少なく手数料が高い商品を勧められやすい
- 信託報酬の差は30年で300万円以上になることも
- 買付済みだとその年は移せない=最大1年のロス
- 手続きは書類1〜2枚のやり取りで思ったより簡単
- 引き止められても断る権利はこちらにある
- 銀行の資産は売却不要・非課税のまま保有できる
NISAを始めること自体は正解。ただ、どこで始めるかで長期的な結果が変わる。
この記事が、一人でも多くの人の「早めに気づくきっかけ」になれば嬉しい。


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